俺流、機械学習系の論文の書き方

後輩に機械学習の論文の書き方を伝えるときに使っているメモが出てきたので紹介してみます。 みなさまの参考になるかどうかはわかりませんが…。

俺流、基本的な論文の書き方

実験的に検証をするタイプの論文を想定しています。 1 → 2 → 3 と順調にやるというよりは、1,2,3を繰り返して完成度を上げるイメージ。

  1. 構成を決める。基本形は以下。日本語で箇条書きで書く。
    • アブスト(大体最後に書く)
    • イントロ
      • ポンチ絵: この研究を一枚の絵でまとめた物を1ページ目の目立つところに載せる
      • 社会的・学術的背景: どこに問題意識を感じているか
      • research question
        • この論文では何を解き明かすのか・何を解決したいのか
        • 上の問題意識を受けて、より具体的に
      • 提案手法
        • どのように解決するのか
        • なぜそれで問題を解決できるのか
      • 実験
        • 何を解き明かす実験なのか
        • どのような設定で行うのか
        • 結果はどんなものか
        • 結果からの学び
    • 問題設定、基礎知識(教科書を書くわけではないので手短に)
      • 定義
      • 問題設定
    • 手法
      • 手法概要
      • 手法詳説
    • 実験
      • 実験目的(以下はすべて実験目的から必然的に決まることを確認しつつ書く)
      • データセット
      • 評価指標
      • 比較手法
      • 実験プロトコル(実験再現できるくらい書く)
      • モデルのチューニングのあたりを特にしっかり
      • 実験結果 + 考察
    • 関連研究
      • 論文がどの学術コミュニティにどんな貢献をしたかを議論する
      • 単に近い研究の羅列にしない
    • 結論
      • 研究背景
      • なにを明らかにしようとしたか
      • どのように明らかにしようとしたか
      • 結果何がわかったか(=結論)
    • future work
      • やり残したことではなく、夢のあることを書く
      • この研究の先にどんな面白い研究が出てきうるのか
  2. 英語で書く
    • 上の黒ポチ=1段落ぐらいのイメージ
    • 一段落/一セクションは、 「ここで言いたいことを一文 → 詳説 → (言いたいことをもう一度言う ) 」が基本形。よっぽどじゃない限りこれを守る
      • 「言いたいこと」を一文で言えない場合は段落を分ける(一段落 = 一メッセージ)
    • とりあえず文法は気にせず書く/ダサい英語でいいから書く/構成は気をつける
      • ダサい英語 → イケてる英語にするのは英文校正を頼めばOK
      • 構成がダメだったら英文校正でも修正しようがない
      • そもそも論旨がわからない謎の文章渡されても困る…
  3. 見直す
    • 一度書き終わった段階だと完成度10%くらい
    • 一週間くらいひたすら見直し&ブラッシュアップをしたい

私自身が書く場合のいろいろ